無限に広がる僕らの世界はガレージの中にあった。
かつて『最後のV8』とまで言わしめたこの大腿筋と、まだ汚れを知らないピンク色のプリップリの肺から送り出される空気の過給圧によって、ソニックブームを巻き起こしながら爆走した北海道チャリンコの旅から彼是もう20年。
あれ以来、単車は乗るわタバコは吸うわで挙句の果てには最近白髪もチラホラ出てきちまったもんだからあらやだどうしましょう。
超高回転型のV8エンジンも、さすがに時空の壁は越えられないのか、いや、まだイケる!再びこの荒涼とした大地を砂埃あげて爆走してやる!と一念発起し、陰謀と破壊と犯罪の渦巻く現代に蘇る正義(?)の騎士
ナイトライダー氏宅へ自転車を拝受しにレッツらボーン☆
あれ?
やだなにこれ。
全部バラバラじゃないの。
とりあえず錆びついた金属パーツをシコシコ磨く事からスタートし、ナイトライダー氏指導のもと、この自転車を組み立てるのでございます。
少し自転車らしくなってきたかな。
オイルまみれになった手でタバコを摘んで吸いながら「コイツが完成したらこんなトコ行きたい」とか「あんなパーツがあってカッコイイけどバカ高ぇ」とかそんな話をしていると、昔どっかのガレージの中で、ダチんことまさにそんな会話をしながらバイクを改造していたあの頃を思い出すのでございます。
今んトコこんな感じ。
「あれ、サドルがない。」
「そんなモノは飾りです!エライ人にはそれがわからんのです!」
「いや、つか、サドルだし・・・」
つづく
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