だれかここで俺と暮らさないか
あの暑かった夏の勢いも収まった秋の日、束の間の休暇を頂きましてちょいと東北地方への足を運んで参りました。
岩手県は遠野市。
遠野へ立ち寄ったのは何年ぶりでしょうか。
特になんの派手さもない田園風景のこの場所なのでありますが、ワタクシにとっては特別な場所なのであります。いや別になにがあったわけではないのだけれど、昔からの人々の暮らしがこの景色を形成しているような、このピュアでシンプルで飾りっ気のない歴史と生活サイクルがなんとも言えず好きなのであります。
そうそう、こんなのもありました。
『でんでら野』
まあ俗に言う姥捨て山ですな。
人は齢60を過ぎるとこの場所に捨てられ、昼間は里におりて農作業を手伝い僅かな食料を得てこの場所の小屋に戻り寄り添うように暮らしながら生命が尽きるのを静かに待ったそうです。
んー。年金問題であーだこーだ言っているうちはまだいい方なのかも知れませんな。
市街地から離れ、ちょいとお山の方へ行きますと・・・
うしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしうしう・・・・し。
「なんだおめえ、見ねえツラだな」
って言いながらオシャレなピアスを耳につけた若い牛が近寄ってきたと思ったら、
「おれの手は牧草じゃない」
おしまい
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